ミランブログ

2011年からのミラニスタです。アイドルはズラタン。ミランの試合や面白い試合の分析というか感じたことなどを書いていきたいと思います。

ズラタン・イブラヒモビッチという王の帰還

今年のバロンドール賞はメッシになったらしい。特に異論はない。ただ、世間は皆納得しているわけでは無いようでファンダイクでないのはおかしいという論調が見られる。確かにタイトルの数を見ればそうなのかもしれない。しかし、選んでいるのは現場の人間だし、画面越しでは伝わらないメッシの凄さというものもあるのだろう。そもそも、バロンドール賞というのは物議を醸すくらいが丁度良いのではないだろうか。

 

 

ここ10年バロンドールはメッシとロナウドの2人のためにあった賞と言っても過言ではない。昨年はモドリッチが獲った。他にもスナイデルリベリーが獲ってもおかしくない年もあった。しかし、いつも論争の中心に居たのは別の惑星から来た彼らだった。そもそも、何万人、何億人とサッカーをプレーする人々の中から1人を選ぶのに今年はメッシ、今年はロナウドで文句ないなんて年が何度かあった以前の彼らが異次元過ぎただけであってこれくらいが丁度良いのではないだろうか。

 

 

それでも納得出来ない人も多いかもしれない。それならそれで良い。しかし、自分の好きな選手を称賛するために他の選手を貶めるというのは止めていただきたい。自分の中でその選手がNo.1ならそれで良いじゃないですか。

 

 

とは言ってみたものの私がロナウドやファンダイクの熱狂的なファンだったら顔を真っ赤にして怒っていたかもしれない。こうしてバロンドール論争を遠くから眺めていられるのは私にとってズラタン・イブラヒモビッチが常にNo.1だからである。誰に何と言われようとも。


f:id:milanlover:20191204020552j:image

そして、そのイブラヒモビッチミランに帰ってくるかもしれない。余計なことを考えなければこれほど嬉しいことはない。ただ、過去の英雄が現代でも英雄になれるかと言ったら絶対なれるとは言い切れないだろう。ナポレオンが現代のフランスで英雄になれるだろうかと言われたらそんなことは誰にも分からない。時代が変われば色々なことが変わる。ミランも変わった。

 

 

ブッフォンユヴェントスの復帰。それが正しいのかどうかはわからない。確かに、セリエAの出場記録を塗り替えたいという彼の望みは理解出来るし、2ndGKでも良いから復帰したいという彼の意志は尊重されても良い。しかし、サッスオーロ戦の失点シーンは彼の復帰が正しい選択ではないことを感じさせてしまったのではないだろうか。サポーターは今の彼の姿を見続けたいとは思わないだろう。私がイブラヒモビッチの復帰に関して危惧していることはそういうことなのだ。

 

 

更にイブラヒモビッチの復帰に関してはブッフォンより複雑で難しい状況にある。ミランが求めているのは救世主であって2ndGKではない(ユヴェントスが2ndGKを求めていたかどうかは知らない)。ピョンテクやパケタですら押し潰されそうになっているほどの負のエネルギーが溢れる今のミランで38歳の選手に救世主としての役割を期待するのは酷だろう。その上、1度出ていった選手がミランに復帰しても活躍出来ないというジンクスがある。カカーは悪くは無かったが、シェフチェンコを筆頭に数々のビッグネームがそのジンクスを打ち破れなかった。イブラヒモビッチミラン復帰が失敗する条件は文句のつけようが無いほど揃っている。

 

 

イブラヒモビッチが批判されている姿を見たくはない。しかし、彼なら今のミランを変えてくれるのではないかという期待もある。絶対的エースと前線でボールを収めてくれる役割はピッチ上で今のミランに欠けているものだ。強烈なパーソナリティーでチームを牽引できるロッカールームのボスも今のミランには必要だ。ボナヴェントゥーラという上質なスパイスを活かす最高のシェフも今のミランにはいない。彼なら全て出来るかもしれない。そんな期待もある。

 

 

MLSでゴール前でのしなやかさやアクロバティックなプレーはまだまだ健在だということを彼は証明してくれた。かつてルカトーニが40歳でも結果を残したようにパワーさえトップレベルのままならセリエAの舞台でもう一度輝けるかもしれない。もしくは、イブラヒモビッチだけは結果を出してミランの状況は好転しない可能性もあるかもしれない。あるいは、以前の彼とは別人に感じるほど、実は衰えてしまっているのかもしれない。結局のところ今のミランではこれから加入する選手がどのようなパフォーマンスを見せてくれるかは見当もつかないのだ。

 

 

イブラヒモビッチミランに復帰してくれたら嬉しい。しかし、それと同じくらい彼が批判されている姿は見たくない。そもそも、今のままでも彼は素晴らしい選手だ。これ以上何かを証明する必要があるのだろうか。仮に何かを証明するのに今のミランを選ぶ必要があるのだろうかと考えてしまう。バロンドールもCLも獲っていない彼は世間ではメッシとロナウドには及ばなかった選手と捉えられてしまっているのかもしれない。しかし、歯に衣着せぬ物言いやアクロバティックなプレーやその他の色々な要素によってイブラヒモビッチというキャラクターは誰にも比較されない存在になった。その点で言えば彼はサッカー界のTHE ONLY ONEだろう。私の感覚では彼のアンチは少ない。それはメッシとロナウドと違い、彼は比較対象が存在しないTHE ONLY ONEだからなのではないだろうかと推測する。

 

 

何れにせよイブラヒモビッチが38歳という事実は変わらない。サッカー選手として残された時間は長くはないだろう。その時間をミランのために費やしてくれるなら嬉しい。しかし、そうでなくとも問題はない。仮に引退という道を選んでしまったら悲しいが、彼がどんな決断をしようが尊重したい。ただ、もし本当にミランに復帰してくれるならば今まで通りゴールネットを揺らし続け、勝利を渇望するピッチ上の怪物として相手を震え上がらせるイブラヒモビッチの姿が見たい。彼ならきっと見せてくれる。そう信じている。

 

 

拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。