NEXTカカー?新星ルーカスパケタとは一体何者なのか
移籍市場は毎年8月の最終日に閉まり、最終日に各クラブが駆け込み補強でワーワーするのが恒例であったが、今年は少し早く閉まったせいか最終日に目立った補強もなく、少し物足りなさを感じていた。
そして今は10月。移籍市場が閉まってから早くも1ヶ月半が経とうとしている。そんな中突如ブラジルの新星ルーカスパケタのミラン移籍が決まった(公式発表はまだ無いが、 フラメンゴ側が認めたのでほぼ確定で間違いないだろう )。こんな中途半端な時期に獲得が決まるのはおそらくアディル・ラミや本田圭佑以来だ。
では、この3500万€で獲得が決まったルーカスパケタという男が一体何者なのか。それを今回は書いていきたいと思う。
プロフィール
所属 フラメンゴ
国籍 ブラジル
年齢 21歳
身長 180㎝
ポジション MF
2007年にフラメンゴのユースに加入し、2016年にトップチームデビューをした。
ブラジル代表ではU-20でのプレー経験しかない。U-23でもリオデジャネイロオリンピックにサポートメンバーとして呼ばれただけである。
しかし、才能は間違いなくあり、あのネイマールが直々にPSGに勧誘するほどの才能の持ち主である。ちなみに利き脚は左。
プレースタイル
このルーカスパケタという選手は非常に面白い選手である。なぜかというとスーパープレー集とタッチ集とフルマッチで全く印象が変わるのだ。
スーパープレー集ではブラジル人らしい派手なテクニックを披露するアラクレ者という印象だが、タッチ集やフルマッチだと一転して優等生という印象である。
スーパープレー集
タッチ集
基本的にルーカスパケタという選手は身体のキレよりフィジカルの強さを活かしたプレーをする選手である。身体でしっかりとボールをプロテクトして相手を押さえつけてからターンやドリブルをし始める。
つまりこの選手は相手よりフィジカル面で優位であることを前提にプレーしている。事実トップ下で出場したフルミネンセ戦でも細かく動き直し、マークを外しながらプレーするというより真ん中にどっしりと構えてプレーすることが多かったように感じた。
仮にセリエAで相手選手よりフィジカル面で優位に立てないならば、ルーカスパケタのミランでの物語は難しいものになると言わなければならないだろう。
ネクストカカー?
ルーカスパケタはNEXTカカーというような記事があったが、残念ながらカカーという選手とは異なる特徴を持った選手と言わなければならない。
そもそもカカーという選手は爆発的なスピードを持ち、相手を振り切ってスルーパスを出したり、ゴールを奪ったりする素晴らしい選手である。しかし、結果を残せる選手ではあるが、基本的にゲームを作るタイプではなく内容に大きな影響を及ぼせる選手では無い。また、10年前の選手だったこともあり守備への貢献度は低くく、攻撃に特化した選手だ。
対してルーカスパケタはカカーのような爆発的なスピードは持っていないが、カカーより低い位置でもゲーム内容に影響を及ぼせる選手と言えよう。低い位置でボールを受けてゲームを作ったり、縦パスを入れて攻撃のスイッチを入れたり、ワンツーやドリブルを織り交ぜ相手を剥がすことが出来る。
また、空中戦も強いので、セットプレーやクロスに合わせて得点を奪うことも可能だ。
https://twitter.com/Orli1983/status/1050000933621518336?s=09
そして、この動画を見てわかる通り守備での走力も問題なく、守備面での貢献も高い。(ミランの守備はゾーンディフェンスの傾向が強いので適応に時間がかかる可能性もある。)
もう一度言うがルーカスパケタはカカーとは異なる特徴を持った選手である。カカーのように攻撃に特化した選手というより何でも幅広く出来る万能型MFである。その点でいうとミランのレジェンドであるクラレンスセードルフに似ているのではないかと思う。
いつの日かルーカスパケタもセードルフのようにミランで多くのタイトルを勝ち取ってくれることを願っている。
起用法
おそらくパケタはボナベントゥーラとケシエとポジション争いをすることになる。
イグアインがCFのときは飛び出すタイプのボナベントゥーラやケシエの方が相性が良いだろう。
しかし、自ら飛び出してゴールを決めたがるクトローネとはパサー役にもなれるパケタの方が相性が良いだろう。この辺りは使っていくうちにガットゥーゾが最適解を見つけてほしい。
また、ベルトラッチとバカヨコが期待はずれになっているが、仮にパケタがセリエAに適応出来れば、この2人に期待していたことがパケタの獲得で満たされるかもしれないと思っている。
ちなみにベルトラッチに期待していたこととは技術的な面でミランの中盤の質を上げてくれること。バカヨコに期待していたこととはケシエ以外にミランの中盤に強さをもたらしてくれる選手がいることである。
ベルトラッチに関しては下の記事で少し詳しく書いているので、お暇があれば読んでいただきたい。https://milanlover.hatenablog.com/entry/2018/08/19/171435
パケタの獲得について
おそらくパケタは3500万€に見合う価値のある選手だと思う。しかし、欧州でのプレー経験もない21歳の若手に3500万€という大金を払って大丈夫なのだろうかという疑問を抱かずにはいられない。
FFPの制裁によりインテルとローマ(今シーズンに限って言えばモンチのせいだろう)が満足に補強出来ない中でCLにも出場していないミランが大金を使えるというのは私にはどういう状況なのか理解できない。
また、私が日頃から感じているのはミランというチームのブランドの低下である。私はパケタと同世代なのだが、知り合いとサッカーの話をするときに出てくるチームの中にミランの名前は無い。
ここからわかるのは我々パケタ世代はミランというチームに魅力を感じている人はかなり減ってきているということなのではないだろうか。
おそらくもう少し下の世代になれば、暗黒期のミランしか知らないという世代になってくるだろう。もし下の世代の選手がプロになったときにミランが今のままだったら、移籍先にミランを選んでくれるだろうか? 私は選んでくれるとは思わない。
ミランにはもうそれほど長くは復権を待ってもらえる時間は残されていない。このルーカスパケタの獲得をミランは復権の第一歩にしなければならないのである。
拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。
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